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第3回 株式会社三矢研究所 古澤利夫社長に聞く「成果」を生み「幸福」に至る「夢」を語る
[ 2010/08/10 ]
古澤社長は中学生の頃、夏休みの工作で神奈川県知事賞を取ったほどの発明少年。三矢研究所を創立した父一浩氏の影響もあって、エンジニアとして同研究所に入所、1999年からは社長を務められている。
古澤社長の自由な発想に基づくユニークな物づくりは、関係者や市民を驚かせ、また楽しませている。
エンジニアがすべてを担う
三矢研究所という名称は父がつけました。「三矢」の由来はその父が98年急逝してしまい分からずじまいです。「研究所」は当時、対米輸出用のアンプやスピーカーを製造していたことで関係のあった東京エレクトロン研究所からいただきました。「研究所」とは大変便利な名前で、何を研究してもいいわけです。当社は「物づくりは何でもやる」というスタンスですから、都合がいいのです。
全国に広がる製品群 
製品を紹介していただきました
アンプやスピーカーの輸出は円高がどんどん進んで立ち行かなくなり、国内市場に重点を置くことになりました。中でも、綜合警備保障(株)で設置し用いられている防犯機器、システムの開発・製造は40年になります。綜合警備保障は全国組織の大会社ですから、各地の有名ビル、自衛隊、警察、銀行、生保などに弊社製品が入っております。
また、お台場のフジテレビ本社ビルにはいろいろな種類の自動ドアが総計300枚も使われています。テレビ局には大きな荷物を持った人が出入りするので、大きさも開き方も異なるいろいろな自動ドアが必要なのでしょう。これらの自動ドアの制御機器は当社が制作したものです。

三矢研究所のマーク
現在、14名の社員全員が「技術」の肩書きで仕事しています。営業は誰もおりません。依頼を受けて一つの商品を作りだすには、常にゼロから出発します。
実際の仕事の流れは〔打ち合わせ〕→〔試作〕→〔量産試作〕と進めますが、この間、何回か前に戻ったりすることもよくあります。やり直しもあって、〔内容確認〕→〔製造〕し、マニュアルをつけようやく〔梱包・発送〕となります。受注から納品まで、こうした一連の流れを14名で行いますから、当社では超大量生産はできません。特殊なもの、完成度の高いもの、誰もやっていない「価値ある」商品作りを目指しています。
物づくりの作法とは 
縛りのない発想を生かしたいと語る古澤社長
私の経営方針といっても、私から社員にはとくに何も言わないのです。働いた結果、業績が上がらなければ自分の取り分が少なくなることは誰でも分かっていることです。
最近コンプライアンス(法律や規則に従う法令遵守)について、議論がさかんです。私もこれは重要なことだと思います。しかし、例えばある社員のPCを調べてゲームサイトなどの履歴を見つけて問題にする風潮があるようです。「私だって(誰でも)たまには見るよ」と思います。ルールばかりでは、本来の目的や発想力を見失ってしまいます。
物を作り出そうとするとき、皆と話し合っている最中にその物が自分の頭の中では動きだすことがあるのです。そうなれば、あとはそれを図面に書いて具現化するだけです。その最中の仕事の仕方をとやかく言っても意味はありません。
話はやや広がりますが、例えばi Podやi Padにしても本来の技術力を考えると、日本の会社で発売されてもおかしくなかった。社会が整備されたことは結構ですが、ルールやミッションが多すぎてゆとりがないことが発想の妨げになっている面もあるのではないかと感じます。
道楽かビジネスか 
『スケールスポーツ524R』が「2009年度 川崎ものづくりブランド」に選ばれました。
1990年株式会社F.プランニングを設立しました。同社ははじめ警備用鍵の製造販売を行っていましたが、カギの需要が減りラジコンパーツを発売したところ大当たりでした。
私は子供のときからラジコンカーで遊んでいて、スロットカー(スロット(溝)の両側から電機を供給して走行する自動車模型)の72年全日本チャンピオンになったこともあります。
物づくりには大義名分がいるかもしれません。防犯機器なら犯罪を防ぐという目的がありますが、スケールスポーツでは道楽ではないかとも言われました。しかし、自動車(または車両)模型は男の子なら誰でも通過するものですし、誰もやっていない物はビジネスの可能性があると考えたのです。机上論や財務評価だけでは物づくりはできないのです。
◆株式会社F.プランニング
http://www.e-f-planning.com/
区民祭で活躍 2002年ころから川崎西法人会の青年部長を務めました。その間、社会貢献運動の一環として麻生区の区民祭に協力してきました。人集めになるものと考えバザーを開いたり、当時はやっていたプリクラを提供しました。次の年からは私の物づくりの出番です。ゲートボール用の球を使った畳2畳ほどもあるコリントゲーム(スマートボールのようなもの)、エアーでボールが出てうまく穴に入ると商品が出る装置、東京フレンドパーク(ゲームバラエティ番組)で紹介されたような3Mもの高さから光が下りてくるゲーム(?)などを毎年提供してきました。多いときは2000人もの区民の方が楽しんでくれました。その後、青年部長は定年となり、相談役も退きましたが、また何か違った形での協力を企画中とだけ述べておきます。

第28回あさお区民まつりの様子。
ちょうどハロウィンの季節でした。

スタッフもハロウィン仕様に。
発想のための理念 
発想のための理念
古澤社長は経営理念について「別にありません」とのことだが、社のエレベータ内やトイレ(!)などには標語が張ってある。これは経営理念ではないが、発想のための理念かもしれない。
(写真では紹介しにくいので、編集部で同一文章を再構成しました。)
◆
株式会社三矢研究所
http://www.mitsuya-lab.co.jp/
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